みなさんビジネスモデルキャンバスって聞いたことありますか?
私は以前、会社の研修で受けて初めて知りましたが、新規事業などを考える上ではビジネスモデル全体を俯瞰できるシンプルでわかりやすいフレームワークです。
仕事の都合で顧客への提案も行う機会があり、実際に活用させてもらっているものです。
偉そうなことは言えませんが、実際に利用することでより理解が深まりますし、他の人に自分自身の頭の中を説明をする上でわかりやすくまとめることができます。
今回は、これを私なりの解釈も交え記事にしてみました。
ビジネスモデルキャンバス(BMC)とは
ビジネスモデルキャンバス(BMC)とは、ビジネスの構造を見える化したフレームワークです。
新規事業を立ち上げる際、自らが考えているビジネスモデル(アイデア)を社内関係者や出資者に対して説明し、事業を行うための予算化や出資金を確保する必要があります。
また、既存事業においても、改めて現状確認を行うことで、ビジネスモデルの優位性や弱点の発見し、より強固なビジネスモデルに見直すことができます。
BMCの9つの構成要素
BMCは下図のように表現し、9つの要素で作成します。
それぞれについて解説します。
顧客(Customer)
顧客セグメント(Customer Segment)でCSと省略表記したりします。
ビジネスモデルを考える上で、まずは「誰に売るか」という観点です。
誰を顧客として考えるか、具体的にどのような人(年齢・性別・環境・特徴など)をターゲットとしてビジネスをするのかを書きます。
価値(Value)
価値提案(Value Propositions)でVPと省略表記したりします。
考えたビジネスプランは、設定した顧客に対して「どのような価値を与えるのか」を書きます。
顧客の生活を便利にするとか、仕事であれば業務を効率化するとか、コストを削減するとか、または顧客を幸せにするとか、提供する価値を書きます。
販路(Channel)
販路(Channel)でCHと省略表記したりします。
良いビジネスアイデア・プランでも、顧客に届かなければ意味がありません。販路では、顧客にビジネスの価値を提供する経路、またはその価値を宣伝する経路のことを言います。対面で売るのか、代理店で売るのか、オンライン上のサービスなのか、などを考えます。
関係(Relation)
顧客との関係(Customers Relationships)でCRと省略表記したりします。
顧客とどのような関係性をもつのかを書きます。
接客(対面)なのか、セルフサービスなのか。継続的な関係なのか、一度だけの関係なのか。
収益(Revenue)
収入の流れ(Revenues)でRSと省略表記したりします。
誰から、どのような収入を得るかを書きます。
具体的に顧客に価値を提供した際の利用料や手数料などの収益となるものを書きます。
資源(Resources)
主な資源(Key Resources)でKRと省略表記したりします。
ビジネスモデル実現のために必要な資源を書きます。
資源は4つ、ヒト、モノ、カネ、情報の観点で整理すると良いでしょう。
ビジネスを行う上で、必要となる従業員、機材やソフト、資金源、他社にはないノウハウや特許を持っているのかなど。
活動(Activities)
主な活動(Key Activities)でKAと省略表記したりします。
ビジネスモデル実現のために、取り組まなければならない活動のことです。
具体的には、販売するのか、開発・製造を行うのか、ネットサービス等の運営を行うのかなど、何をしていくかを明確にする必要があります。
協力者(Partners)
パートナーとの関係(Key Partners)でKPと省略表記したりします。
ビジネスモデル実現のために必要なパートナーを書きます。
例えば、ビジネス上で連携する協業企業だったり、材料の調達先などを書きます。
費用(Cost)
コスト構造(Cost)でCSと省略表記したりします。
ビジネスを行う上では何かしらのコストが発生します。
会社であれば、人件費、製造・開発費、家賃、広告宣伝費など様々です。
ビジネスを行う上で、必要となる費用を把握するために書きます。
BMCの事例
わかりやすい事例として、BMCを使って解説してみます。
下図はスターバックスのビジネスモデルキャンバスです。
(引用:走りながら考える新規事業の教科書/著者:今津美樹 氏)
実際のビジネスモデルキャンバスを見ると、普段何気なく使っているスターバックスが、
・どのような顧客をターゲットにしているか、
・その顧客に対して何の価値をどのようなチャンネルを使って提供しているか、
・どのような活動を行いながら、パートナーと連携しているか、
・収益と費用の構造はどうなっているか、
このように、ビジネスモデルキャンバスを見ていくとビジネス全体が俯瞰して把握することができます。
BMCの作り方
作り方はこのような流れです。
Step1:ファーストキャンバスの作成
・まずは思いつくままに作成していく
※9つの要素について、複数名で協議・検討する場合は、付箋紙とかを使って整理すると良いでしょう
Step2:セカンドキャンバスの作成
一度作ったものをもとに、顧客を分析します。
具体的には仮説を立てて、それをもとに検証をしていきます。
そうすることで、従来見えていなかったものが見え始めます。
これにより、ファーストキャンバスで描いたものを修正します。
Step3:サードキャンバスの作成
外部環境の変化や市場概況、競合との影響を調査・検証します。
SWOT分析※などを活用してビジネスキャンバスに反映すべき内容を整理します。
※SWOT分析とは(引用:ウィキペディア)
完成:ビジネスモデルの提案、社内稟議等
完成したものをもとにビジネスモデルの提案を行います。
まとめ
BMCはビジネス全体を俯瞰できるフレームワークとして、シンプルでわかりやすいものです。
事業開発だけでなく、顧客への提案における差別化ポイントなどを整理する上でも使えるものと思います。
一方で、これだけでうまく行くかというとそうではなく、変化の多い時代が故に都度見直しを行なう必要もあります。
机上論として考えるだけでなく、その上で行動しながら定期的見直すことが重要だと思っています。
私も現業の仕事に活用しながら、将来に向けた副業でも構想を描いてみたいと思います。
教育の受講とあわせて著者ご本人からもサインを頂きました。
【参 考】
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